帰りのタクシーの中は無言だった。


途中でUがサークルKで買い物をすると言うのでタクシーの中で俺とIはUを待つ。


「なぁ、今日は本当にうち来るのか?」

「ううん。やめる」


ですよね〜。俺もブルーだったが彼女達もブルーになっていた。何故ここまで彼女達もブルーなのかはよくわからない。


Uがタクシーに戻ってきてからも沈黙が続き、俺はようやく冷静さを取り戻しつつあった。


そして怒涛のような今日の夜を振り返る。



ん、待てよ。。。



そもそもI達がBと遭遇する可能性が高いのに何故、俺をHero Clubに誘ったのか。


何故、B達は突然こんな平日にHero Clubに来たのか。しかもまだBarの営業時間中のはずだ。偶然にしては違和感アリアリ過ぎる。


何故、Bの前でIとUは必要以上に俺にベタベタしてキスまで見せつけたのか。


俺が前の店でIにキスしたのでその気になったのか?でも、UまでClubでそんな事してくるのは流石に想定外。


何故、IはBは他に2人の恋人がいる事を俺に話したのか。今考えると、なんでBの恋人の写真をIが持ってるのか。



頭の中が混乱する。



そして、俺のアパートの前に車が停る。Iは俺と一緒に車を降りてエレベーターの前まで送ってくれた。



「ね。Seven、Bの事嫌いになった?Bとはもう会わないで。話もしないで。わかった?」


「あ、あぁ」



この押しの強い一言が俺の心に突き刺さる。



俺はアパートに帰り、すぐにベッドに寝転がる。Aは田舎に帰っているので部屋には誰もいない。


IはBの事が嫌いなのはハッキリした。仲良さそうに見えたが、理由はわからない。


だから俺とIとの関係をBに見せつけるような真似をした事もなんとなく理解した。


ただ。


Bが俺の心から離れていく寂しさは変わらない。俺もAという彼女がいる身だから、何もBに言う事は出来ない。


そのジレンマで心が張り裂けそうになる。これから俺はIやU達と遊ぶようになるのかな。


俺はバカな事しちゃったんじゃないか。早まった事をしたんじゃないか。


そんな事を考えてるうちに俺は眠っていた。