今日はベトナム社会についてです。

先日東南アジア地区の日本語新聞に書いてありましたが、ベトナムは汚職が世界2位だそうです。1位はフィリピン。予想外に中国が1位かなと思いましたが、違うようです。

確かにここ、ベトナムでは何かにつけてお金が物を言う世界です。朝早くから夜遅くまで路上に立って交通整理や違反取締にたくさんの交通警察官が立っています。

ベトナムで何らかの違反で捕まった場合、その場で現金を支払って済ます場合がほとんどです。その現金はそのまま警察官のポケットマネーとなります。また、よっぽどの刑事事件じゃなければ、警察に捕まった場合約100ドルをその場で払えば許してもらう事が可能なんだそうです。

ポイントは「その場で払う」のが鉄則で、しょっ引かれた後で支払って解放してもらう場合はもっと多額なのだそうです。要するに「その場で金払って解決」ってわけです。ですから先輩出向社員に外に出る時は「何かあった時の為にその場で払えるように100ドルは最低持っているように」と言われました。

例えば、ホテルに女を連れ込んでいるところを押さえられた時、法で定める深夜営業時間外に客として夜遊びしてて踏み込まれた時、酔っ払って暴れて取り押さえられた時等はその場で解決が良いのだとか。外国人の場合、一旦身柄を警察に拘束されると保証人(身元引受人)が現れるまで解放されないらしく、保釈金も高額なんだそうです。

空港で違反物(お酒や部材のような罪が軽度なもの)が入った手荷物が捕まった場合も、お金を担当者に渡せばほぼパス出来ます。もちろん正規の罰金を支払えば良いのですが、高いですし、職員も正規料金の支払いを期待してはいません。あくまでもポケットマネーが欲しいからです。



また、企業間の取引等にも賄賂は日常的に行われています。我社でも地方政府の役人がふらっと顔を出すと、何も言わずに5000000vnd(約2万2000円)くらいをベトナム人スタッフが用意しています。

海外からの輸入(設備、材料等)も通関手続きを早めてもらうために、担当者に現金を渡します。渡さないと、ひどい場合は数カ月も手続きが放置され、事業計画に大きな支障をきたしてしまいます。

新規取引等でも交渉担当者がバックマージンを要求することは日常的に行われています。そんな現状を見てくると、「賄賂や汚職は悪いこと」というイメージはあるのでしょうが、広く一般的に蔓延していているようです。

また、経理や仕事の発注等の業務をしている人はマージンを個別にやり取りしているようです。それは日本人の知らないところで行われており、帳面上は出てこないので中々表には出てきません。私の経験した2社の場合は周囲のベトナム人からの密告で明らかになる事が多かったです。

要するに「あんただけずるいじゃん」的な発想なのかと。ベトナム人労働者は一般的にはサラリー(給与明細)を皆で見せ合い、あの人が高い・低いを誰もが知っています。低い人は会社に対して「なぜ彼よりも低いんだ、上げてくれ」と言い出します。昨日も手当の件で2名と面談しました。これも「あの人は手当がついて私には付いていない」ッて内容でした。

仕方ないことかと思いますが、お金に対して非常にシビアです。

先日も両親を連れて土産物を買いに行きましたが、母の欲しかったポーチのサイズが合わず購入を諦めたところ、店の主人が近くの別の店まで連れて行き、その店の主人と一緒になってセールスしてきます。この店で結局買い物が済んだわけですが、売上のいくらかを最初の店の主人が受け取っていました。客の紹介料ってことなんだと思います。

以前アパートを探していた時にラウンジの女の子から「あなたが検討しているアパートよりも、もっと安くて良い物件を探してくるから、予算の中から毎月1万を私にもらえないか?」と真顔で言われました。もちらん断りましたが、そんなやり取りが普通にある世界なんだと驚いた記憶があります。


ベトナム戦争が終わり、どん底からの復興途中に、そういったお金にシビアな国民性と汚職の温床が根付いてしまったのかなと思います。日本もかつてはそうだったように、ベトナムも同じ道を辿っているのでしょうか。