2日目 つづき


チケットの番号を頼りに船の二階部分に上がる。2人席を探し当て、席に着く。隣に座ったカップルは初老の紳士と見た目30くらいのタイ人女性。

言葉を聞いていると男性は日本人のようだ。彼はタイ人女性に片言の英語で話しかけ、一生懸命コミニュケーションを取っていた。

手振り身振りで懸命に意思を伝えようとするのその姿に一昔前の自分を思い出した。中々伝わらないらしく、タイ人女性は首を何度か傾げる。


(おじさん!頑張れ!!)


そう思わずにはいられなかった。


Hはと言うといつしか席から居なくなり、辺りを見渡すとそこら中で写真を撮りまくっている。時折自撮りを交えながら何枚も撮っている。相変わらず自分大好きっ子だ。

ドレス姿のNCに促され、辺りをうろついてる人達が席に戻される。



S「お前、写真大好きだなww」



H「もちろんよ!Hちゃん綺麗なの大好きですよ!」


S「ははは、そうかww」



屈託無くはしゃぐHが可愛い。そんな事より隣のカップルの会話が進まないので少々気にかかる。


船が動き出し、音楽とともにビッフェもスタートする。ビッフェコーナーにわらわらと人が集まり、一瞬で人だかりとなる。

人混みが嫌いなsevenは空いてから取りに行こうと席を立つのをやめた。我を争うようにたかる雰囲気が馴染めないのだ。

人を追い抜いたり、食えもしないのに大量に取ったり場所取りで小突きあったり。こう言う状況はいつもババを引いてしまうから尚更苦手なのだ。このプチカオスな状況がどうにも・・・



S「おい、食事を取りに行くのは後にするぞ・・・って、オィwww」



Hの方を見ると既に姿は無い。慌てて人だかりを探すとプチカオス集団の最先端のナイスポジションで既に料理を物色していた。



(H・・・ナイス・・中々やるな・・・)



H「持ってきたよー!」



予想通り食い切れないくらいの料理が山のように積もった大皿を2皿置く。



S「なんだよこれwwこんなに食えねーぞwwしかも山盛りでごちゃ混ぜじゃんかww」



H「大丈夫wフリーだからお金要らないよ?」



下町育ちの逞しさに救われ、早めに食事にありつくことが出来た。


隣のカップルはと言うとsevenと同等で食事を取りに行かず、相変わらず会話を一生懸命頑張っていた。



川を上ってるのか下ってるのかよくわからないがワットプラケオやワットポーなどがライトアップされ、歌手の歌が雰囲気を盛り上げる。


Hは食事もほどほどに席を立っては写真を撮りまくってる。後半は歌手の目の前まで行ってダンスとかして大はしゃぎしていた。

はっきり言って前回来た愛しのレディとの方がLOVE的な雰囲気に満ち溢れていたな、と不思議な感覚になる。

言い換えればHとのこの旅行は愛を深めると言うよりも思い出作りといった感覚。そもそものシチュエーションが違ってる。


クルーズも終盤になり、隣のカップルが軽く食事をしながらほぼ無言状態になっていた。理由はわからない。撃沈でないことを祈るしかないだろう。


夜十時前に船着場に到着し、200Bでスクンビットまで送ってくれるトゥクトゥクを探す。数台交渉してトゥクトゥクに乗り込む。



H「キャハハハ!!凄い!早いよwww」



集合管バリバリでデコトラ仕様のトゥクトゥクにHは大喜び。爆音と猛スピードでスクンビットに向かうのだった。





つづく