Pimは美容院から帰ってくると、屋台で買った晩御飯とビアシンの350ml缶をお土産に置いて直ぐに仕事に出て行った。




彼女が出て行く時に残した言葉。




「今後タニヤには絶対来ないで」




どうにも気になる言葉だ。何故なのか聞き返したが、答える事なく出て行ってしまった。




まぁ好きでも無い客と商売でいちゃつく姿とか見られたく無いとかの理由なら良いのだが、何となくそれとは違う事は想像出来た。




それよりもまず仕事を探したい。あと、ひとつ気にかかってるのは俺の財布やパスポート、iPhoneを盗んだあのニューカマーを見つけ、何とかそれを取り戻せないのかという事。




カードや写真を確認して死ぬ前の自分の存在がどうなっているのか見てみたい。それが自分に起きた謎を解明する手掛かりになるかもしれないしね。




とにかくPimから借りた金で移動し、ルアムチットプラザへニューカマーの消息とソイカーボーイへ、突然消えたNokも探しに行ってみたい。次いでに働けそうな場所も探したい。




そんな思いでタクシーに乗り込み、ルアムチットプラザ前で降りる。夜8時前だが、テーメー前には沢山の女の子とカマー達が既に居る。




辺りを見回してあのニューカマーを探す。あのデカさは絶対に忘れない。つうか、忘れてなるものか。




20分ほどその場に居たがヤツは居ない。仕方ないのでソイカーボーイを目指す。後からまた見に来ればいいし。




ソイカーボーイは相変わらず賑やかだ。でもほとんどコヨーテ達の客引き。Nokの居た店を探す。




彼女の友達がカーボーイハットを被って客に声を掛けている。何度か一緒にNokとディスコに行った事がある。




「おーい、久しぶり」




彼女はこちらを見ると満面の笑みで答える。




「今ならサンミゲルライトが90パーツよ?一緒にどうですかー?」




腕を絡めながら言うそれは明らかに普通の客引き対応だ。




「俺、俺だよ、ヒロ、わかる?」




キョトンとする彼女。




「Nok居るかな?」




「Nokですか?彼女は店を辞めたよ?貴方は?」




「だからヒロだってばww忘れた?一緒にディスコ行ったでしょww」




首を傾げる彼女。




「Nokは何処に行ったの?」




「結婚するとかで店辞めた。もう一週間くらい前かな」




「わかった、ありがとう、またね!」




やせ我慢して平然とした態度で話す。今更だが笑えてくる。今まで何度も繰り返された俺のタイライフ。意味なんて何もなかった。




それと、やはり昔の俺が存在した痕跡は無い。もしかするとニューカマーを見つけても同じなんじゃ無いかと考えてしまう。ニューカマーが盗んだ事実すら無いのかも知れない。




怖い・・・何この世界・・・怖すぎだろ




バカラのある側からソイ23に抜ける。オールドダッチの前の辺りで後ろから大声で怒鳴り声がした。




「ケーーーーーン!!」




ビックリして振り返る。バンダナしたリンでも居るのかと思ったが、超ビッグなディックサーブがこちらに突進してくる。




このイカリヤ長介のような顔はナナプラザのレインボーで見たことある。なぜ彼女が?




その勢いに押され、立ち竦む。あの目は俺を見ている。しかも般若の形相で。




「ケン!なにしてんのよ!皆探してたんだよ!」




胸ぐらを掴まれ、ガクンガクンされる。




「ひぃぃいい!・・・は、はい?」




「ちょっとおいで!!」




囚われた宇宙人のように手を引かれ、ソイ23のスクンビット通りとは逆方面のエロマッサージが並ぶ道に連れて行かれる。




「俺、ケンじゃ無いですが・・・」




「殴るよ?」




拳を振り上げる長介。目は本気だ。




「ひぃぃ・・・」




暫く歩くと左折。直ぐにピンクの看板で日本語表記の店が目に入る。んー何処かで見た事ある店だ。その名もカラオケ チャッピー。その店の中に連れ込まれた。




すると数人のディックサーブ達がこちらを見る。




「ここに座りなさい!」




「ニム、皆を呼んできて!」




ニムと呼ばれたディックサーブが小走りで奥の部屋に行く。カウンターに座らされ、俺の周りをディックサーブ達が囲む。




絶対絶命、俺・・・つうかケンて誰?俺??




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