妄想日記「2hour Love」を最初から読みたい方はこちらから
http://sevensthai.doorblog.jp/archives/cat_1284970.html




チャッピーでの熱い語りも終わりPimの部屋に戻るが、彼女は相変わらずまだ帰宅はしていなかった。




まずは持ち帰った札束が入った封筒を確認する。なんだか封筒に見覚えがある。つうか、つい最近見たやつ。それに気がついて身体が震えてきた。




こ、これ。俺がNokに渡した封筒と同じだろ・・・




こっちに来る際、コンビニでお金を下ろし、その時に設置してあった封筒だ。俺はそれを一枚抜き取り、現地で両替した後に50000バーツを入れてNokに渡したのだ。




でも、本当にこれが俺の渡した金なのかは確信出来ない。ただ、数えた金額も全部1000バーツ札の50000バーツなのは偶然なのか。




持ってきたiPhoneの電源を入れ、もう一度写真を確認する。




あ・・・




それは新しい写真から30枚くらい目にある集合写真にNokは居た。5人ほどの女性達と写るその姿は楽しそうにVサインをしていた。




ポーズを変えて3枚程度のその写真は、何処かのパーティ会場で写したもの。




そしてその中の2人と個別でケンとのツーショット写真が撮られている。一枚は見知らぬ女性とお互い噴水を挟んでVサインをしている。もう一枚はヌンとの写真で噴水を左手側にして右手側にヌンがケンの腕を組んで並んでいた。




2〜3ヶ月ほど前だと思われる。なんだこれ。ワケがわからない。




そして昼間に見たヌンとの写真を探す。やはり2人は過去恋人同士だと思う。丁度俺と別れた頃の二股のもう1人なのかもしれない。




Nokとはどんな関係なのわからないが、友達関係以上なのは確かだ。Nokはコヨーテ、ヌンはカラオケ嬢。どんな接点なのだろう。




Pimが帰ってきた。酔った感じは無いが、少し興奮気味な、なんとも言えない色気が漂っている。




「おかえり」




「まだ起きてたの?」




「うん、iPhone見つけてね。それを調べてた」




「へー、見せて見せて!」




そう言うと俺からiPhoneをもぎ取り、興味ありそうに写真を閲覧する。




「あー知ってる子がいるー」




「え?どの子?」




「この子とかこの子。昔お店一緒だったよ。あと、この子も見た事ある」




Nokを指差す。うわっと思いながも切り返す。




「え?この子ダンサーでしょ?」




「そうなの?でも昔同じ店に居たよ。ヌンとも友達だったと思う。よく一緒に居たし」




「え?いつの頃の話かな」




「一年以上前かなー、マルマルってお店」




「知らない店だな」




ヌンとNokが思わぬところで繋がった。俺とヌンが知り合った店は別の店だから、それよりも前の話だろう。




んじゃ、俺はケンの知り合い2人と付き合ってた事になるのか・・・




嫌な感じがする・・・もしや穴兄弟では?という意味で・・・




Pimが不思議そうな顔をしてるので、俺とNokとの関係を話す。そして、そこからの転落も含めて・・・




「えーーーww嘘みたいwwwマジそんなことあるのーwww」




「笑い事じゃ無いってば・・・」




異様にケタケタ笑うPimに少し苛立つ。こんな奴だっけ・・・




封筒の金の話はPimにはしなかった。ズルいかも知れないけど、これがたとえ自分の金じゃ無いとしても、貴重な生きるための資金であり、ネコババする気が正直あったのだ。




あと、例のタイ語のメールを見てもらった。




「ああ、これはNok だね。お金がどうこう書いてある。ちょっと待って。新しい順に読んでるから、古い方から読み直すね。」




「どんな?」




「簡単に言えばケンが仕事で必要だからお金を貸せって話かな。そんなやり取りがほとんど」




「でね、あ・・・」




「ん?何?」




「えとね・・・」




何か言いづらそうにしているPim。この展開、なんとなく察してきた・・・




「いいよ、言ってよ」




「早くヒロに金出させろって催促してる・・・Nokはそんな事出来ないって抵抗してるんだけど」




か、覚悟が足りなかった・・・こ、この衝撃は・・・




言葉が出ずに目が泳ぐ。なんだ、何なんだ・・・




「大丈夫?」




「あ、ああ・・・」




「あとね、これgmailだからwifi繋げたら新しいメールが見れると思うよ」




「そなの?」




「うん、待ってね」




PimのiPhoneのテザリング機能を利用して俺のiPhoneを繋げる。




「ほら」




確かに新しいメールが現れる。




「見る?」




「うん・・」




Pimはサクサクと何通かのメールを読み出す。




「えとね、ヒロはあの子にお金あげたでしょ」




「う、うん」




う、恥ずかしい・・・




「そのお金をケンに渡してるよ・・」




「あと、Nokと多少言い合いになってる。なんでLineを教えないとか、結婚出来ないとか書いてあるね」




「は?」




「それからケンは全く返事してないよ。Nokからは嘘だの悪い人だの何回も書いてる」





「・・・・」





沈黙が流れる。




「ヒロ・・・なんて言っていいか・・わかんない」




俺は一点を見つめ、黙っていたが涙が自然と頬を伝う。




Pimも涙を流しながらこう言った。




「可哀想なヒロ・・・可哀想だよ・・」




大袈裟なくらいに泣いてくれるPim。つられて俺も我慢していたものが溢れ出す。




ひとしきりの沈黙の後、お互い目が合う。そして2人は自然と唇が重なり合い、互いの涙を手で拭いながら、倒れこむように横になった。



★掲示板をリニューアルし、Love Thai総合掲示板(通称ラブ・タイ)として生まれ変わりました。

Love Thai総合掲示板

↓ 投稿の励みになります。ポチッと1日1クリックお願いします!


キングオブタイナイト




タイナイトブロガー