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「ヒロ!行ってくるね!(*^_^*)」




「ああ、気をつけて」




日曜日の朝、チャッピーの前で貸切ワゴン車に乗り込む女性陣。女子大生軍団5人と長介とニム、眉毛ら3人、総勢10人だ。




日本人の俺と、ベトナム人のマイケルは見送りだ。なんでも、今日はバンコクから車で約1.5時間ほど走り、チャチュンサオと言う町にある「ワット・サマーン ラッタナーラーム」と言う、タイ人には超有名なお寺にタンブンに行くのだそうだ。




ヒンズー教の神様でもある、ガネーシャ(顔が象の神様)が祀られていて、願い事がよく叶うと有名らしい。




仏教徒が何故ヒンズー教の神様を?と、俺的には疑問に思う。が、そんな事はどうでもいい事であって、「願いがよく叶う」と言う、乙女チックな部分が彼女達の心をくすぐるのだろう。




この辺は日本を含め、どこの国の乙女達にも共通する事だな。




Pimも店の子達とは、まだそれほど仲良くも無いのに「ワット・サマーン ラッタナーラーム」と聞いて、二つ返事で行くと言った。まぁ、長介が一緒だからなのだろうが、そのくらいその寺は有名という事だ。




「何時頃帰ってくるの?」




「渋滞が無ければ大体5時頃かな」




「ちょww渋滞するだろ、普通ww店開けるまでに帰って来れるのかよ」




「まぁ、その時は開店時間遅らせればいいしね」




「マジかよ・・・」




長介も浮かれてしまって大概になってやがるwwまぁ、これぞタイスピリットという奴か。基本、大概なんだよ、やつらは。




「ママ、帰りはこっちに着く時間わかったら電話してよ」




「わかった、わかった。じゃ行ってくる」




ワゴン車が発車し、Pimを含め、ほぼ全員が目をキラキラさせながら俺らに手を振っている。




皆、どんだけタンブン好きなんだよ・・・




「マイケル、飯行こうか」




「フォウ!」




店からソイカーボーイのオールドダッチに向かって歩く。




「なぁ、マイケルはさ、彼女とか居るの?」




「居ない」




「そっか」




まぁ、こいつの姿を見たら、普通は引くしな。彼女出来ないのは仕方ないか。MJ知ってる世代ならまだしも、MJ知らない若い子達から見たら、ただのバケモノ、つうかヘタしたら変態だぞ・・・




「女には興味無い・・・」




「な、なにいっ?」




思わずマイケルと距離をとる。




「ケン・・・今は女は要らない、という事だ・・・」




「おま、変な言い方すんなよ・・・」




「俺はここでダンスの勉強と貯金をして、将来ハノイでダンスを教えようと思ってる」




「ベトナムはダンスが人気なのか?」




「いや、富裕層の人達だけやってる。だから逆に商売になる」




「金持ち相手に稼ぐって事か・・・」




「幾ら溜まったら帰るの?」




「30万バーツが目標」




「そっか・・・」




お前の給料じゃ無理だろ!と言いたかったが、まぁ毎月2000貯めれば13年だ。40歳くらいにはハノイに帰れそうだな。




そんな事を話してる間にオールドダッチに到着。オープン席で注文する。俺はここでソイカーボーイの昼間の姿を眺めながらのんびりするのが好きなのだ。




「ケン、暑いから店の中に入ろう」




「うっせー、若者は外で良いんだよ。店員に軒先きからウォーターミストを出すように頼んでやるから」




そう言いながらマイケルをなだめ、ビアシンとビアタイガーを飲む。ビアタイガーはハノイでも馴染みらしく、マイケルはいつもこれを注文する。ウォーターミストは頼んで直ぐに対応してくれた。




「な、お前溜まってない?」




「まだ3万バーツくらいかな・・・」




「おぃw貯金の話じゃねぇww女だよww」




「そうでも無い。ケンが部屋に居ないし・・」




「なるほど・・・ヤりたい放題か・・・」




「お前、俺のエロ本読んでも良いけど、汚すなよ?」




「・・・・・」




「ちょwww汚したのか!」




「日本の本はエロいな・・・」




「まぁな・・・」




注文したアメリカンブレックファーストが出てきた。アメリカンだけあって結構なボリュームだ。パン、ソーセージとスクランブルエッグ、ベーコン、あとは豆を煮た?やつ。




「なぁ、飯食ったら女買いに行かない?」




「俺は今、女には興味無い」




「いや、でも性欲はあるだろww」




「問題無い」




二階にある俺のエロ本で抜きまくってる奴がよく言いやがる・・・ま、厳密には俺のエロ本では無いが。




「良し!んじゃ、女の子へのチップ含めて俺が全部出す!それでどうだ!」




「フォウ!」




そ、即答かよ・・・OrL




「じゃ、店は俺に選ばせてくれ」




「オッケー」




この時間から行くとなると、すぐ側、ソイ23のエロマッサージかホワァイクアン辺りのマッサージパーラーか。あとはプロンポン近くのエロマッサージもあるな。




ソイ23のエロマッサージだとPim達に足がつく可能性があるな。ここは却下・・・と。




良し、玉揉みもしたいし、オーキッドマッサージでもでも行くか。




「マイケルお前、玉揉み知ってる?キンタマ揉むやつ。日本人には大人気だぞ」




「知らない」




「良し、そこ行こう」




「俺にはそう言う趣味は無い・・・」




「バカwwww俺らが男のキンタマ揉むんじゃねぇってww女の子がモミモミしてくれるんだよww客が男のキンタマ揉む店あったら逆に凄えわww」




「わかった、任せる」




こいつやっぱ少しおかしい。ま、悪い奴じゃないから良いけど。




「あ、あとこの事は男同士の秘密な?いいか?絶対に誰にも言うなよ?」




「フォウ!」




「よっしゃ!行くぜぃ!」




女性陣とは裏腹に、こちらはこちらで男同士、浮かれながらオーキッドマッサージにバイタクで向かう、俺とマイケルだった。




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