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久々に休みをもらった。Pimの事をMokに任せ、俺は朝早くからバンコクの北東にある、とある寺院に来た。




ここはピー信仰が盛んな土地で、この寺院にいるティアムと呼ばれる依り代に会う為だ。




ソンポン刑事からピー信仰の話を聞いて、自分なりに調べた結果、この寺院に辿り着いた。




依り代と言うのは日本で言えば、恐山の潮来のような存在で、死界にいるものを憑依させる事が出来るらしい。




俺の目的はあのシャム姉妹との会話。このティアムと言うのが、本物の能力者なのかは定かでないが、会話内容でその真偽はわかるはずだ。




入り口にいる修行僧のような若者に、ティアムとの面会をお願いする。暫く待てと言うので、寺院の周りをチョロチョロと伺いながら、修行僧の返事を待つ。




見たところ、普通の寺院だ。派手な建物で、あちこちに金色の細工が施されている。外観はバンコク市内にあるのと、さほど変わり映えしない。




ただ、所々に置かれている仏像のようなもの。よく見ると、仏像では無い。人では無い異形の生き物。カエルのような顔の人型の像。人の顔をした鳥のような像などが見える。




怖っ!




それに気づいて、この寺院が急にオドロオドロしく感じてくる。




修行僧が戻り、ティアムが会ってくれると言う。ついでに記帳とお布施を要求された。記帳は以前Pimが書いてくれた、タイ語の俺の名前を写メで撮ったものを模写した。




お布施は3000パーツと言われ、素直に支払う。こういった事の相場はわからない。支払いを済ますとお堂へ案内される。




お堂にはロウソクの火が何本か灯る。驚いたのは僧の数。ざっと10人がロウソクの灯りに向かって、座っていた。ロウソクの灯された祭壇には、梵字のような文字が書かれたお札と、異形の形をした像が祀られている。




「あっ!・・・・」




思わず声が出る。僧侶たちもその声で俺の方をチラ見する。急に足が竦む感覚に囚われる。




その像は胸の辺りから2人に分かれ、そのふくらみから2人は女性だとわかる。金色の衣装を纏い、金色の冠を付ける姿。無機質な顔だが、どこか悲しげにも見える。




シャ、シャム姉妹だ・・・




寒気が走る。俺はここに来て良かったのか。こ、怖い・・・言いようの無い後悔が俺を襲う。




すると、奥の方から袈裟の豪華な僧侶がやって来た。間違いなくこの人がティアムだろう。黒縁メガネをかけた老人だ。恐らくは尼さんだと思われる。




祭壇の前の床にそのまま座ると、俺に横に座るよう指示する。




「あなたが呼び出す方はどなたですか?」




シャム姉妹と言って良いのか。つうか、シャム姉妹の正式名称がわからない。




「あ、あの・・・あの像の神様を呼んでほしいです・・・」




思わずシャム姉妹の像を指差す。




「指を指すのはおやめなさい!」




強い口調で叱られる。




「す、すみません・・・」




「それに、この像は神様ではありませんよ?神になろうとしているPimとPloyです」




「PimとPloyですか?」




「ええ、そうですよ」




ゆっくりとした口調でティアムは答える。思わず、Pimと改造人間(Ploy)を思い出す。まぁ、どちらもニックネームだから、単なる偶然だと思われるが・・・




「彼女達が神様では無いなら、一体何なのでしょうか?」




「一言で言えば、悪霊ですよ・・・悪霊から神になろうと、今も徳を積み続けているのです」




「でも1000人を救えば良いと聞きましたが」




「その神話をご存知のようですね?」




「ええ、最近知りました」




「人々に伝えられている神話には、まだ隠された真実が入っていません」




「ど、どういう事なんですか?」




「PimとPloyは1人が未だに人を陥し入れ、そして、もう1人がそれを救う。言わば、それぞれが1000人を助けると言う意味を、2人は理解していないのです」




「え?」




「妹のPimは人を困らせ、窮地に落とす。姉のPloyはPimが困らせた人を助ける。それを永遠に繰り返しているのです。いつか神になれると信じて・・・」




・・・要するにマッチポンプって事か。それじゃ永遠に終われない・・・




「あなたは何故、彼女達を呼ぶのですか?」




「はい、以前、夢で彼女達のような人に会って、お話をしたのですが、その時の話が今ひとつ理解できないのです。ですからもう一度、会って詳しく聞きたいと・・・」




「今まで、悪霊である彼女達を呼んで欲しいと言われた事はありません・・・相当強力な力が無いと、私自身が危ういかも知れないのです」




「え?では、今までどんな人を呼んでいたのですか?」




「普通の死者の魂です。ご家族だったり、恋人だったり。先祖だったりです。貴方のようにPimとPloyを呼びたいと言う人は、居ませんでしたから」




「そうなんですか・・・ダメだという事ですね?」




「いえ、やってみましょう。僧侶の数を増やしますので、お待ち下さい」




「はい・・・」




ズラリと僧侶が並ぶ。つうか、この陣形、超怖い・・・坊さんばかり30人は居る。俺とティアムの後ろで祭壇を囲むように座っている。




「では始めます・・・」




お経のような言葉が大音声で流れ出す。楽器のようなものを鳴らす人、数珠を鳴らす人、無心にお経を唱える人達が居るのがわかる。




ティアムは身体を大きく揺すり、何かを唱えている。いつしかお堂の中は、ロウソクの灯りしか見えないほど暗くなっていた。




お経と楽器の音圧で、背中がゾクゾクしてくる。その圧倒的な迫力に押され、俺は手を合わせながら目を固く瞑った。俺はこのまま即身成仏になるのでは・・・




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