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「ヒロ、話があるんだけど・・・」




来た・・・凄く嫌な予感。恐らくPimは俺の元を離れる決意をしたんだと、直ぐにわかった。




俺とPimが離れる事。それはお互いにとって最も辛い事だ。だからこそ、Pimは自分の犯した罪の代償として、それを選ぶだろう事は想像がついた。




そして俺に取っても、シャム姉妹の魔の手からPimの危険を回避するには、お互いが離れる事が最善なのだ。




だから昨日はお互いが暗黙のまま、激しく愛し合った。近いうちに来るだろう別れを前提にして・・・




でも、今直ぐは嫌だ。Pimの居ない日常は考えられない。もう少しお互いの身の振り方をしっかりと考えて、そして進みたかった。




「嫌だ・・・」




「え?どうして?」




「Pimと今はその話をしたく無い・・・」




「でも・・予想はしてたよね?」




Pim からはっきり言葉にされると、彼女の決意は揺るぎないことがわかる。と言うか、自分なりに整理出来たのだろう。それが昨日だったのか・・・




「ヒロさん・・・わかって欲しいの・・」




Mokも理解しているようだ。きっと長介にも言っているのだろう。昨日の夜の彼女達の密談は、Pimがこの地から離れる話だったのだと今、ピンときた。いや、実際はあの時気付いていた。




「いくらなんでも早く無いかな・・もっとよく話し合って、この先の事考えなきゃ・・たとえ結果は変わらないとしても・・・」




「ヒロ・・・」




「ヒロさん、いいかな。結果が変わらないからこそ「今」なんだと思うの・・」




「う・・・」




Mokが言うのも一理ある。でも受け入れられない。こんなにも直ぐは絶対無理。折角本当の意味で恋人になれたんだから、もう少し思い出を作りたい。正直もっとセックスもしたいし・・・




「ね・・・Pimは本当にいいの?今なの?」




「私だって悩んだんだよ!ヒロがなんていうかって・・・でも真剣に考えたの」




もう何を言ってもダメだ。




「昨日の夜、長介にも相談したんだろ?お店辞める事も含めて・・・」




「うん、ヒロはあの時に気付いてたの?」




「ああ、感づいてたよ・・・長介は良いって言ったの?」




「うん・・・そういう事情だったら仕方ないねぇって・・・」




「そっか・・」




ここで俺とPimの物語は終わる事になった。悲しすぎると人って涙が出ないのな・・・




「いつ行くの?今日?」




「うん・・・だから昨日の時点でチャッピーを辞めた」




「マジか・・・」




「だからこれから荷物纏めるの。住む場所も勿論変わる。ヒロも手伝ってくれる?」




Pimの無機質な言葉に少し戸惑う。覚悟を決めた女はサバサバしてると言うが・・・




「嫌だ・・・」




「ヒロ・・・」




「俺は今まで通りがいいんだ!行くなら勝手に行けよ!」




「でも、次の店ももう話ついてるんだよ?」




「次の店?もう、そんな話になってんの?どこ行くの?」




「ナナプラザ・・・」




「な、なにぃぃぃいいいいい!!」




まさかゴーゴー嬢になってやり直すって言うのか・・・




「店はレ、レインボー4?」




PimならレインボーでもTopレディになるのは間違いないだろう・・・でも、俺と離れてゴーゴー嬢ってのは余りにも・・・




「ヒロさん、オブゼッションだよ・・」




「な、なにぃぃぃいいいいい!!」




「って・・・Mokちゃん?」




「うん、もう決めたの・・・ヒロさんには本当に感謝してる・・・」




「・・・・・・」




ダメだ・・・ダメージでかい・・・




「ごめん、もう少し寝る・・・」




前日の嫌な予感は的中し、Mokはゴーゴー嬢になった。




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