僕の書く気力があるうちに一気に書いていきますのでお付き合い下さいね。


今回初めて食べたムーガタですが、タイ語の発音だと「モゥーカタッ」って聞こえますね。ムーガタってそのまま言うと全く通じませんでした。


焼いた豚肉は美味しいと思いましたが鍋の方は自分の好みではないです。それにしてもタレが自分には辛すぎる。今度は日本の焼肉のタレでも持ち込もうかなって考えてます。


因みに本編のベラとIは同一人物です。話の流れで使い分けています。分かりづらかったらすみません。



4話



先程ドリンクを断った手前、コケ達磨に少しだけ気不味い気持ちになる俺。そんな事を気にもせず和かな顔で近づくコケ達磨。タプタプと揺れるお腹に厚化粧でも目に入ってくる小じわ。胸元がガバッと空いているのは良いが、おっぱいの付け根が全体的に少し赤くなってシワシワになっている。こんなおっぱい初めて見た。


「名前は?」


「Vです」


「Vね。俺はseven。宜しく」


軽く握手をする。Vはバービアの年季が入っているのか、英語で話してくれるので意思疎通は難しくなかった。


俺はビアチャンを飲みながら彼女に問いかける。


「Vは何歳なの?」


「イースィップスィーna」(24だよ!)



ぶっwwwおいwwそれは大胆すぎるだろっww



口に含んだばかりのビールが吹き出そうになる。せめて28とかが相場じゃないのか?


まぁ、Vがそう言うならそれでいい。俺にはどうでもいい事だ。Iもどう見ても二十代後半に見えるが21とかほざいてたし、この辺りのサバ読みはソイ6の相場なのだろうか・・・


「で、どこの店に行く?」


すかさず、Vが英語で聞いてくる。


「はい?俺は知らないよ・・・」


Iはニコニコと隣で俺とコケ達磨の会話に耳を傾けているようだ。ま、話せないし仕方ないか。


「オッケー!私に任せなよ!」


「美味しいの?」


「うん、アロイna!」(美味しいよ!)


コケ達磨はタイ語でIに店の名前を伝えたようだ。


「うん、アロイアロイna!」(凄く美味しいよ!)


Iも頷きながらコケ達磨の言う事に合わせる。


「オッケー!じゃそこに連れてってよ。2人ともバーファインな」


「オッケー!」


会計を頼みにカウンターへ行くI。しかし、直ぐに戻ってくる。


「ん?どした?」


「あと7分で1時。1時過ぎるとバーファインが300Bになるから、それまで待ってね」


Iの後ろからコケ達磨が説明してくれる。中々良い子達だなと今更感心するseven。この子らの容姿はともかく、良い子そうなのが好ポイントだ。


「そうなんだ。1時前だと幾らなの?」


「11時までが1000B、1時までが500B、1時以降が300Bだよー」


「へー」


300Bは安いな。これがパタヤなのか・・・


「じゃそれまで店で待つけど、着替えて来なよ」


「うん」


二人は着替えに奥へ行く。そして一人ソイ6を眺めながら、ふと我に帰る。


あーあ、初日終わったわ・・・


スタート一軒目でバーファインしてしまう自分を呪う。しかもベラとコケ達磨と言う、いつもなら絶対に有り得ないシチュエーション。なんだかこの旅に対するなんとも言えない不安感が襲ってくる。


こいつらにムーガタ奢って俺は一体何がしたかったのだろう・・・


タバコを吸いながら今日の出来事をおさらいする。


「はい、伝票」


Tシャツ短パン姿に着替えたIから渡されたレシートを見て驚愕した。


「930バーツとな!!」


ドリンク二杯と二人のペイバー。これで1000B以下か。安い!安過ぎる!!


すっかり落ちたテンションが少し上がる。


ま、飯食わせた後に少しチップ渡して帰せばそれほどの金銭的ダメージは無さそうだ。まだ初日だしこの出費なら明日からの巻き返しも十分可能だろう。


それにしてもIの私服姿。なんと言えば良いのか。


超ダサい・・・(I、ごめんよ。マジでそう思った)


ペタペタのビーサンに襟がヨレヨレの白いTシャツに半ケツが飛び出るほどの短い短パン。俺以上の太もものデカさに少しビビる。肌は綺麗なんだよな・・


何ヶ月もカットも手入れもしていないだろう伸ばし放題の黒髪と、油でツヤツヤになってる髪の間に点在するフケ(いや、埃と思おう)。爪は赤いマニキュアの跡が爪先に数ミリ残ってるような感じ。しかもベラメイクのままでいる。


一方、コケ達磨は真っ白なブラウスにデニムの短パン。そしてヒール高めのサンダル。ピチピチ過ぎるくらいの短パンからはお腹が飛び出ていて、見た感じが少し気持ち悪い。私服くらい、体型をカバーするようなのを着れば良いのにね。


俺の想像だと、Iは相当な生活苦のようにしか見えない。それは仕方ない事なのかも知れないが。


こ、こいつら連れて初めてのムーガタかよ・・


セカンドロードに出るまでの間、二人の背後を歩きながら再びテンション低下が襲ってくる。それは深く深く。


セカンドロードに出るとコケ達磨がバイタクを拾う。二台で行くらしい。俺とIは3ケツだ。


暫くすると煌びやかなネオン輝く場所で降ろされた。二台分のバイタク代金を払おうとするとコケ達磨は自分の分は自分で払ったらしく、俺の分だけの支払いだった。思ったよりもコケ達磨は良い子そうだなと改めて思った。


燦々と輝くネオンを見ると「ハリウッド」とローマ字で書いてある。確かパタヤで人気のディスコだったと思う。その向かいにある場所がムーガタ屋だった。


オープン席と藁葺き屋根のある個席。コケ達磨からどちらにするんだ?と聞かれたが、勝手がわからないので彼女らに任す。


選んだ席は茅葺き屋根の個室。個室と言っても屋根があるだけの座敷みたいな造りだ。壁は無いので雨宿りができる程度の簡易なもの。


靴を脱いで上がると座布団を並べて各々が机を挟んで向かい合うように座る。俺の左手にコケ達磨、右手にベラと言った並びだった。


机には真っ赤に焼けた炭が入ったバケツ?みたいなものの上に、独特な鍋が置かれた。メキシコ人がギターをポンチョと麦わら帽子を被って弾くみたいな、あの帽子のような鍋だ。帽子の形の淵は反り上がっていて、そこにヤカンに入った出し汁のような水を浸すとリング状に出し汁の池が出来る。


そこが鍋の役割で、帽子のような中央の小山が肉を焼く鉄板となる。まぁ、よく考えたものだと感心。


Iはせっせとsevenの食事の支度を始めると、次々に焼けた肉や鍋で煮た野菜なんかを小皿に入れてくれる。この辺がタイ女性の良いところだ。一生懸命に世話を焼いてくれる姿は日本では、赤ちゃん以外は最早経験する事は出来ないと思う。


俺はタイレディ達のこう言うところが大好きなのだ。勿論、自分の客に気に入られたい、と言うのが彼女の本音だろう。でも、それが分かっていても世話を焼かれると嬉しいのが男の性なのだ。


Iは小皿に入れた赤いドロドロしたタレに付けて肉を食べるんだよ?と手振りで勧めてくれる。ウンウン(^_^)解ってるよ、と言う素ぶりで俺は小皿に盛ってくれた肉を箸でつまむとタレに付けて口に入れる。


「ぐぉ!!」


口に入れた瞬間、むせ込んだ咳と一緒に豚肉が口の中から飛び出る。


「か、辛ぇぇえええっ!!!」


それを見たコケ達磨が爆笑する。Iは心配そうに俺を見ていた。


「ぺ・・ペッドマクマーク!!」(か・・辛すぎだバカヤロー!)


「キャハハハ!汚ねぇなー」


コケ達磨はスラングを使いながら英語で笑い転げる。


こ、こいつ、タイ語で言えばいいのにワザと英語?


頼んでおいたビアチャンを一気に飲みこみ、ティッシュで口周りと口の中をゴシゴシと吹く。口の中と唇が痛い・・・


「お前ら辛く無いの?」

「全然?」


二人はそのタレに肉を付け、俺に見せつけるようにバクバク食べる。


「ピー!」(店員さーん!)


Iは男の店員を呼ぶと別のタレを持ってくるよう伝えてくれたようだ。

暫くして透明で粘着質な液に赤い斑点が入ったタレが用意される。


「ニークーマイぺッドna」(これは辛く無いよ!)


Iはニコニコ笑いながらそう教えてくれる。気を取り直してそのタレに肉を付けると口に運んだ。


うん・・・なんか甘い?・・ん?・・・え?




「ペッドマクマーク!!」(やっぱ辛ぇわ!)




このタレは白蜜の中に辛子が入ってるような不思議な味。最初のやつほどでは無いにしろ、辛いものは辛い。


他にタレは無いのか次のタレは出でこない。コケ達磨とベラは少し申し訳無さそうな顔で俺の顔を覗く。


はっ、いかんいかん。こんな事で連れてきてくれた彼女らの顔にドロを塗るわけには・・


「うん、でも辛いけど美味い。うん、美味い、いける」


そんな意味合いの英語とタイ語で意思を伝えると、少し無理して肉をガツガツと頬張るseven。最初のタレのダメージもあって口の中はすでに溶岩を入れているかの如く痛む。


それを見て安心したのかコケ達磨とベラも箸を進める。追加注文でデカイ海老を焼いたものから渡りカニ1匹、そして大量の貝。


この貝はバンコクのレディ達も好きで、屋台なんかで買って結構食べてるのを見る。茶色の調味料で煮てあるのだが、何せ貝が開いていない。


これを指でこじ開けて中身を食べるのだ。俺からしたら半生状態か死んだ貝。日本では食べてはいけない状態なのだ。見てるだけで腹が痛くなるような気になってくる。過去、何度か食べたが美味しいとは思わなかった。


それをせっせと俺に食べさせてくれるベラ。その気持ちに応えようと嫌な顔せず無理に食べるseven。それを見て更に貝を開いて俺の口に運ぶベラ。それをサッと平らげる俺。Iの細かな優しさに少し嬉しさを感じるのだが、これは正に地獄のループ。頭の中では下痢止めは持ってきたのか記憶を辿る。


それにしてもこいつらはよく食う。若いってのもあるのだろうが、本当に21と24なのか?それならよく食べるのは当たり前なのだろう。でも、どう考えても30前と30過ぎにしか見えない二人。



これは若さと言うより・・・飢え?



そう感じてしまうsevenだった。