初めて訪泰したのは10年の9月。あの頃は確か1万円で4000バーツくらいだった気がします。そこがスタートだったので今のレートは寂しい限り。


レートは落ちるし、タイ自体の物価は上がり続けると言う負のスパイラルです。


あまりお得感のような感じはしませんね。ただ、おっさんが若い子と遊んでても許される雰囲気はプライスレスです。




13話




朝5時、Iは珍しくスッと目を覚ます。やれば出来る子だとは思っていたが、「それなら普段もそうしろよ」と感じてしまうのは日本人の悪いところなのだろうか。


着替えを済ませてロビーへ向かう。既にタクシーは着いていたのでチェックアウトを済ませて乗り込んだ。


舗装はされているが田舎道を40分ほど走るとウタパオ空港に到着した。見た感じ、道の駅か?と思えるほどの建屋。


平屋で駐車場も広くない。一応国際空港なのでインターナショナルとドメスティックと分かれているのでドメスティックの看板を頼りに歩く。


エアアジアのカウンターに並んで預け荷物とチケットを受け取る。腹が空いていたので建屋内のカフェでコーヒーとサンドイッチを摘んだ。


俺的にはIは飛行機での移動に、もっとはしゃぐと思っていたが至って普通。何度か利用した事があるのかも知れない。流石に「飛行機乗ったことある?」とは失礼だなと思い聞いてはいないが。


ロビーでIは誰かと電話していた。コンイープン(日本人)という言葉はわかったので、俺の事も少し話していたのだろう。



「誰と電話してたの?」


「うん、ママとね」


「そっか、これからそっちに行くよって話したのか」


「うん」



聞く話によれば父親はバンコクに出稼ぎに行っていて実家には母親が一人で暮らしているらしい。姉が居るが、結婚して家には居ないとの事だ。



定刻に出発し、定刻にチェンマイに到着。飛行機の中では二人ともグーグー寝ていてほとんど会話しなかった。手はずっと繋いでいたけどね。



空港を出ると直ぐに白タク連中が声を掛けてくる。



「seven、ホテルはどこ?」


Iが尋ねてきた。


「ホテル?チェンマイのホテルは明日だよ。今日はウタラディットへ行くって言ったじゃん」


「・・・・・、今日行くの?」


「そう」


「私、明日行くって言っちゃった」


「マジか・・」



今更ホテル予約変えたく無いし、どうすんべ・・・

まあ、ウタラディットとやらが、ここから近くなら少しくらい面倒臭くてもいいか。そんな事を考える。


「わかった、後でママに電話し直すからバスターミナル行こう」


「オッケー」



よかったぁ・・


Iが白タクにバスターミナルまでを交渉。


「150Bだって。いい?」

「OK」



150Bだと結構距離あるのかな。



「近いよ・・・」



渋滞混み5分くらいでバスターミナルに着く。


チケット売り場は二箇所あり、降りた側からは奥の方の売り場にウタラディット行きのカウンターがあった。片道150Bくらいだったか。



「何時のバス?」


「あと15分かな」


「お、ラッキーじゃん」


「そだね」


「で、ウタラディットまでどの位なの?」


30分程度だとホテルへのチェックインは早いかなー、などと要らぬ心配をするseven。




「大体4時間かなぁ」



はぁぁあああああああ!???



「よ、4時間ですと??」


「うん、そのくらい」



マジか・・・最早チェンマイではないだろ・・


パタヤから確かバスで7時間とか言ってたよな。


朝5時半に出て今からバスでウタラディットまで4時間、時刻にすると夕方5時着だろ。


飛行機だとトータル12時間弱、バスだと7時間半。


なんかおかしくね?



「555 飛行機の方が時間長いね」


少し嫌味っぽく言ってみる。



「そだね(^-^)」


爽やかに言ってのけるI。


出ましたよ・・タイ人特有のマイペンライ精神炸裂!こんな事気にしてたらここでは生きて行けん・・


三年近くのブランクでそれ忘れとったわ。


トイレを済まし、バスに乗り込む。なんかバンコクからパタヤ行きのバスよりも豪華で制服を着たカトゥーイ(オカマ)の添乗員も居る。水とお菓子セットのような物も配ってくれた。


ブルーな気分から抜け出すまで30分くらい時間を費やしたがIと密着しながらの長旅も悪くない。この程度のトラブルなら旅の醍醐味だとも言えよう。


明日も4時間かけて戻るのか、って言う意識は封印した。


田舎を走り続ける。途中から家すら視認出来ない。ジャングルとまでは言わないが、そんな険しい森。風景も流石に飽きる。


音楽が車内に流れ、終点が近い事を知らせる。


田舎町に辿り着き、再びタクシーを拾う。そして目的のホテルまで行く。


ホテルに着くと野犬なのか、飼い犬なのか不明なでかい犬4匹が吠えながら出迎えてくれた。鎖に繋がれてないのでハッキリ言って怖いわ。


このホテルは家族経営らしく、品のいい奥さんが受付してくれた。ペンション風の小綺麗なホテル。珍しく土禁で建屋入り口で靴を脱ぐ。


荷物を置いてひとしきりベッドに横たわる二人。少しイチャついてシャワーを一緒に浴びた。


はぁ・・・疲れた。。。