今、空港行きのバスの中で更新しています。


理由はわかりませんが、Iとの再会に急に不安となりました。なんだか、自分だけが都合良く突っ走っているだけのような気がして。


多分、今までの経験則がそんな気持ちにさせるのでしょうね。大抵自分が盛り上がってるだけですから。




18話



チェンマイの朝は相変わらずの雨。流石にうんざりだ。Iはガーガー寝てるのでタバコを吸いにロビーまで降りる。



フロントで空港行きのタクシーを12:00に来るよう手配した。タバコを吸いながら外の様子を伺う。暇つぶしに散歩にでも行きたいのだが、雨がかなり降ってるのでそんな気持ちも直ぐに萎える。



Iに疲れのような素振りが見えるので、出来る限り寝かせてあげたい、とMST(モーニング セクハラ タイム)も我慢して隣でグダグダと過ごす。



過去、一泊以上の旅行に出かけたタイレディは三人。



一人目はタニヤレディのM。行き先は一泊でパタヤだった。再会までの連絡では超ラブラブだったのに待ち合わせの時間を大幅に無視され、パタヤでもほぼシカト状態の地獄。タイ経験初の恋愛ダメージを被った。



二人目はソイカのコヨーテだったM。彼女とはホアヒンで一泊した。ヒルトンを予約し、旅行では仲良く過ごすことが出来た。ホアヒンで行った寺院でのタンブン。二人で手首に巻いてもらったオレンジの紐。「愛の証だね」なんて言っていたあの頃が懐かしい。



Mがナナのマンダリンに移籍した頃から俺に冷たくなり、キスすら嫌がるようになった。その時はただ傷ついただけだったが、今思えばMに新しいカスタマーか彼氏でも出来たのだろうと想像できる。



三人目はナナのゴーゴーガールだったR。彼女とはスコータイ遺跡に二泊、パタヤで二泊、そしてプーケットで二泊を経験した。付き合いもそれなりに長めだった。しかし、一緒に住んでいた妹分が性悪で、結果的にそいつの影響で破局を迎えた。


後日談だが、Rとは一年半ほど前からフェイスブックを通じて連絡を取るようになった。彼女はゴーゴーガールを辞めて今はシーラチャの製造工場で検査の仕事をしている。彼女と別れた理由だった妊娠事件で、そのまま子供を産み、シングルマザーとして頑張っているとのこと。


俺以外の定期カスタマーとの子供を妊娠し、俺に責任をなすりつける事を策略した妹分とは絶縁したそうだ。あの時の事は彼女も相当後悔してるようで、妹分の言いなりでそうなった事を何度も誤って来た。そしてその時に俺が中絶費用として渡したお金で無事に子供が産めた事に感謝された。



それまでの楽しかった思い出に対する対価として、騙されてるとわかってて20000B程のお金を渡した。しかし、その金で子供を産んでいた事には驚いた。



何故、子供を産んだのか聞いてみると、誰の子と言うのは関係なく子供自体が元々欲しかった事と、中絶に対する嫌悪感で産むと決めたのだそうだ。



偶然とは言え、授かった子を産みたい、しかし相手とは連絡がつかず金もない。そこで俺に白羽の矢を立てる知恵を与えたのが妹分だったわけだ。



Rとの連絡の中で、彼女はsevenと再びヨリを戻したいと言ってきた。本当にsevenが好きだし、今でも好きだと。妹分とはもう絶縁したから大丈夫だとも言われた。



それなら何であの時に妹分の策略を断り、真実を俺に言わなかったのか。俺がプレゼントしたアイフォン5Sを売って連絡が取れなくなったのは百歩譲っても、妹分だけが俺に連絡してきて一方的な会話をヨシとしたのか。Rにだって少しは俺に対する罪と責任はあるはずだ。



後になって真相を語ってくれた事には感謝するが、こちらは今更そんな気になれるはずもなく、連絡のみで再会はしていない。



不思議な事に、あれだけ夢中になった「愛しのレディ」との旅行経験は無い。今思えば、彼女にとっての俺は、結婚していないと言った嘘がバレた時から、ただのカスタマーに降格していたのだと思う。



今回のIとは今後どうなるのだろう。そんな事を思いながらIの寝顔を見続けるsevenだった。