ついに来ました!Iからの金の無心。


正確に言うと無心はされて無いんですけど、母親の治療費を送れないと言ってきたんですよ。そんな状況を話してくるって事は無心と同じですよね。


金額聞いたら高くなかったので、今回は何も言わずに支援することに。彼女の話を半分は信じてますが、まぁ生活費が無いんだろうと思ってます。


これが続くようなら切るしか無いですかね。そんな感じなのでほんの少しだけIへの想いも下がってます。



ブロガーのソイカーボーイさん、ご協力有難うございました!!しかも店で呑んでいただいて。




21話



トゥクトゥクでインソニティに向かう。



あれ?道違うよな?



いつの間にか、移転したようだ。今はソイ11の奥になっていた。逆に言えばナナにあるホテルから歩いて向かわなくて良かった。あるはずの店が無いのでかなり焦ったと思う。



ボディチェックを終え、内部に入った。深夜一時近かったせいか客は満タン。飲み物を置く場所すら無いのでDJブース右手のカウンターの隅っこに陣取った。



以前のような円形のお立ち台は無くなり、コヨーテ専用の小さなお立ち台が数カ所。そしてDJブースが箱の正面になり、オーディエンスはDJに向かって踊っている。



自分的には前の方が良かったなーと。



相変わらず客層はファラン多目で半分くらいか。あとはアジア系。それを目当てに着飾ったオネーサン達が二、三人のグループでナンパ待ちしていた。


sevenはビアシン、Iはレオビールを飲む。時間帯にもよるのかも知れないが、自分の好きなEDMは流れていない。時折タイミュージックのサウンドが流れるのは最近の流行りなのだろうか。


パタヤのIbarでもそうだったが、以前のようにキレ良く踊れなくなってる。体力なのか、感が鈍ってるのか。いまいちハッチャケれない。


Iも踊ってはいるものの、sevenに合わせてテンションを上げているような雰囲気だ。酒も進まない。疲れてるのもあるんだと思う。



結局、約一時間程で店を後にした。



あれ?ディスコってこんなテンションだっけ・・・



過去の経験とは違ったテンションに違和感が高まる。



なんでだろう・・・



帰りのタクシーの中で自問自答するseven。



何かが物足りない。今回も自分の好きなように呑んで踊ったはず。ダンスのキレは無かったが。



Iはsevenの手を握りながらこう話した。



「これからどこ行くの?」


「ん?何処か行きたいのか?」


「任せるよ(Up too u)」


「・・・ホテルに帰ろう」


「うん」


はっ、とここで気付く。Iは行動のほとんどをsevenに委ねている。唯一自分から話したのは故郷で友達カップルとムーガタ誘ったくらい。



ここは嫌だ、あそこに行きたい、あれ食べたい、あれが欲しい、などの意思表示が無さすぎるのが、この違和感なのだ。



結果、会話が少ない。互いの意見が衝突するストレスが無い代わりに、感情の交流が少なすぎるのだ。



彼女はやっぱり俺をただの客だと・・・


いや、実家の母や地元の友達まで紹介してくれたんだから、他の客よりは特別なんじゃ無いのか?


でも、これだけ何もかも委ねられると、恋人って雰囲気では無いよな。


じゃ、この関係はなに???



今思えば、これは最初の出会い。客と嬢の関係に毛が生えた程度の事なのに、俺はすっかり恋人だと舞い上がってたよ・・・



何かするにしても「OK」と和やかに賛同してくれるI。帰りたいともずっとここで遊んでいたいとも言わない。「帰ろう」と言えば「うん」、「次はここ行こう」と言えば「うん」。贅沢なのかも知れないが、反応の薄い相手との付き合いも少々物足りないのだ。


時折甘えられ、部屋ではキスの応酬で答えてくれる。それですっかり満足していたが、それだけだと何かが違うような。。。



部屋に戻ると初めてシャワーを別々に浴びた。



Iはベッドで充電しながらスマホに夢中になっている。よほど嬉しいんだろう。そんな姿を横目で見ながら別の想いが湧き上がる。



俺たちは合わないのかな・・・



「明日はヘアーサロンに行くから寝るぞー」


「うん」


いつもの如く、Iはそう答える。寝る様子は無く、スマホに夢中になっている。


俺は今回の旅で初めて心に隙間風が吹くのを感じ、悶々としながら眠りについた。