七月下旬に訪泰します。ついテンション上がってしまい、書くつもりが無かった前回の旅について筆をとった次第です。


 消息不明だったブロガーのRick兄貴の無事もわかり、心置きなくタイを満喫しようかと思ってます。娘と孫でかなり金を使い込み、小遣いは心許ないですが今回はヨシとしましょう。


 良い嬢達と僕のタイ友達達と楽しく飲めればいいです。新たな出逢いは最優先では無いです。ま、出逢いがあればそれに越した事は無いんですけどね!


 それと、僕の七月の訪泰に予定を合わせてくれたフロンティア6(タイ仲間のグルチャ)の皆さん、本当に感謝します。貴方達の愛は一生忘れません。もうすぐ歯が全て抜け落ちるのでしっかりご奉仕したいと思います。



         §



 Iの手を握りながら、タクシーの後部座席で俺はタイ仲間のグルチャを思い出していた。明日は朝からIの故郷、ウタラディットに行く予定だ。


 俺のメッセンジャーに届いたIからの意味不明なメール。


「พี่นุเอายากลับด้วยแต่ใส่ไว้ในถุงเท้าใต้ตีนเรามันจะตรวจเจอไหม」


 Google翻訳では


「年長のNuは薬を取り戻したが、足下の靴下に入れた」


となる。意味がわからないのでタイ語がわかるメンバーのトウガラシさん(他の方のブログではジェームスと呼ばれている人)に聞いてみる。


 以下トウガラシさんの返答。


「断腸の思いでいうのですが、先程の意味はクスリを持ち帰るのに、靴下の踵の下は検査されるの?と書いてあります。
 想像ですが、メールの送り間違いで、誰かに飛行機乗るときの検査で、靴下の踵の下は調べられるのか聞いてるのかと。
 疑いたくはないですが、パタヤからウタラディット(Iの故郷)に何かしらの薬を隠して運ぶ算段してるようにみうけられます」


 はい?ク……クスリ??


 大きく動揺したが、数時間後には彼女と会う事になる。トウガラシさんは心配して俺に色々と言ってくれた。


 ラインを見て暫くフリーズしていた俺。その事に触れず、動揺を隠すようにふざけた話題を入力する。


 結局、俺はトウガラシさんの忠告を心にしまい込み、Iに接する事にしたのだ。嫌な事に目を背ける自分の浅ましさが出た瞬間だった。しかし、頭の中ではその言葉が付きまとう。


 こいつ……クスリやってるのか?そんなバカな……。


 バス旅で疲れたのか、俺の肩に頭を預けて居眠りするI。前よりもかなり痩せたその姿は、今思えばクスリの常習でやつれていたのかも知れない。


 こんな大人しい奴がクスリ?自分の意見もろくに言わないのに……。突然湧いてきた犯罪の匂い。俺の心は既に崖から転がるように落ち込んでいた。


 Iのチェックインを済ませ、俺は彼女を食事に誘う。


「飯食いに行こうか」

「うん。あんまりお腹空いてないから少しでいいよ。それよりもsevenがお土産にくれたナイキの靴に合う靴下を買いに行きたい」


「…………靴下……あ、ああ。わかった」

「高いのは要らない。露店のでいいから」


 そう言ってシーロム通りのタニヤ側にある露店で靴下を何足か買う。確か白やらピンクやらを選んだのだが、詳しく覚えていない。


 この靴下にクスリを入れるのか?


 そんな事ばかりを考えていたのだ。俺も食欲も湧かず、Iも食欲が無いとの事なので、買い物を終え、直ぐにホテルへと戻った。



         §



 ホテルに着くと、様々なお土産をIに渡し記念写真を撮る。嬉しそうにしているIの姿を見て和むのと同時に、クスリの件の思いがふと脳裏をよぎり、複雑に交錯する。

3455FFE7-F7E9-4024-84C5-900A5C1BF240

実物知ってる人が見たらかなり痩せたと思う。10月に飲酒で捕まって一ヶ月もムショ暮らしして痩せたとか言ってたのだが……。これも結局クスリ絡みだったのだろう。


 Iはシャワーを浴びた。その間、俺は彼女のリュックを見つめ続ける。


 何が入っているのか確認したい気持ちと彼女を信じたい気持ちが葛藤し、何度も腰掛けていたベッドから立ち上がっては部屋をうろつき、また座る。を繰り返す。


 ヘタレな俺は結局何もする事が出来ず、ぼーっとIが出てくるのを待っていた。