今朝、起きて直ぐにスマホを見ながらトイレで小便。Line友達に挨拶などを送るのが日課だ。

 そのまま一階の居間に降りるとカミさんがテーブルに座って「麩菓子」を朝っぱらからバリバリと齧っていた。


「朝から麩菓子かよww」


 俺はカミさんを嘲笑する。だからブクブク太るんだよ!とは言わなかったが。


「ん?……。って、あんた……」


 カミさんは俺を二度見する。そして大声で叫んだ。





「朝からチンボー出して歩いてくるんじゃねぇ!」
(原文まま)



 パンツに仕舞い忘れてしまったとは言え、俺は二十年ぶりにカミさんにチンコを見せてしまった。


 だから今日はやる気全く出ない。



         §


 今日はバンコクに戻る日だ。Iの女友達が乗るピックアップトラックに同乗させてくれるらしい。


 朝の8時頃、ホテルをチェックアウトするとトラックが登場。一番デブな女とその彼氏だ。何故か小学生くらいの男の子も乗っていた。デブ友達の弟らしい。


「この子もバンコク行くの?」

「そうみたい」


 男の子の隣には黒い犬もいる。カウントダウンパーティーでも見た大型の犬だ。


「犬もか?」

「そうみたい」


 ピックアップトラックは狭い。後ろの狭い座席はどう見ても二人が限界。まして犬もとなるとどうやって俺たちも行くのだろうか。


「これ、俺達は乗れるのか?」


 正直、ピックアップトラックの乗り心地の悪さを空港からこの地に来る時に体験しているので気が重い。Iはデブ友達に話をする。


「男の子と犬は荷台に乗るんだって!」

「マジか!!八時間以上かかるんじゃないのか?」

「だってそう言ってるもん」


 男の子は学校が休みらしく、デブねぇちゃんの住むバンコクに行ってみたかったらしい。犬も「オラも行きてぇ!」とか言ったのだろうか。確かに犬には時間が有り余ってるとは思うが。



         §


 とにかくトラックの後部座席は狭い。しかも、デブが助手席に乗っててシートを後ろにしてるので更に狭くなる。俺は膝を寝かせてモデル座りのような姿勢。


 き、きっつ……


 かなりのスピードで走っている。しかも荷台には小学生の子と犬が乗っていて、気が気ではない。


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男の子が寝ながら黒い犬を撫でている。危ないし、俺達が乗っているからそうなったわけで、本当に申し訳ない気持ち。しかも俺たちも乗り心地が最悪で、なんでこんな選択をしたのかが理解できない。


 何度も休憩を繰り返し、19:30。ロットゥやバスが停まる場所で俺達は降ろされた。実に10時間の長旅で腰は痛いし、疲労困憊だ。
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なんて場所かわからない。デブ友達とは行き先が違うため、ここで降ろされた。



 デブ友達にお礼1000Bを渡し、そこからタクシーを拾ってバンコク市内のホテルへ向かった。ホテルはアソークに近い安宿。確かアソークスイーツだったかな。


 夕食をブロガーのマレーの馬さん(個人的にはマレー兄貴と呼んでいる)とご一緒する予定だったので連絡を取り、ホテルにチェックインした。



         §



 Iが日本食が苦手なため、タイフードが頼める店を希望した。待ち合わせはターミナル21だ。

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未だにクリスマス飾りが。ベトナムもそうだけど年末年始はクリスマスって感じだ。


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時々利用しているドラフトビールが飲めるタイフード屋。24時間営業だし、アメリカンな物も注文出来る。小綺麗な店内で中々良い店。ソイ19かな。


 マレーさんには食事代まで出して頂き、申し訳ありませんでした。なんかいつもお世話になりっぱなしで恐縮してしまう。



 Iの田舎ではほとんど金を使わなかったので、ナイトマーケットで何か買いたいとマレーさんに相談するとタラートロットファイが良いと勧めてくれた。既に23:00を過ぎていたので選択肢は少ない。



         §


 タクシーで走ってタラートロットファイまで向かう。結構フラフラだったが最後の夜だし、ここは踏ん張りどころだ。
 

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タラートロットファイへ入る大通りではこんなハッピーニューイヤー的なデコレーションの場所があり、若い人達が写真を撮りまくっていた

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Iもご機嫌で写真を撮る。ま、こういうのは女子は好きだよね。


 タラートロットファイではIのネイル、スマホケースなどを買う。ネイルはMBKだと600Bくらいするが、ここだと300Bくらいで安い。

 
 他に欲しいものは無いとの事で少々がっかり。帰りにコーヒーを飲んで買い物は終了となった。


 Iは元々物欲が少ないのか金以外は欲しがらない。金も高額では無く、数千バーツ程度。だが頻繁なので合計するとそこそこ渡しているような……。


 ホテルに戻ると既に深夜2時を過ぎでいたため、そのまま就寝する。疲れもあって、結局ブンブンは無かった。


 マレーさんとも食事の時に話していたんだけど、今回の旅はブンブンは期待しないっていう感じ。なんとなくだけど、別れる頃合いなのかな。そんな気持ちが心の何処かにあったのは事実だった。


 特に彼女の何処が気に入らないってのは無い。でも、なんか求めているものと少し違う気がする。それが何なのか。その時は理解できていなかった。